つめを切るのはたいてい畳の部屋だ。
だれがなんといおうと畳の部屋だ。
あ、でも縁側もいいな、うちにはないけど。
で、まず、新聞なんかといっしょにまとめてある
チラシを1枚ひろげる。
で、右手の親指から切り始める。
足の指のつめまで切るときは
右足の小指で終わる。
やすりがけみたいな面倒なことはしない。
たまに1本だけ切り忘れているときがある。
最近はもう子供のつめを切ることはなくなったが
その時はちょっと慎重になる。
深爪したり皮まできったりしないように。
まあ、危ないことが今まであったわけではないが。
つめきりの時間って
いつもより神経が研ぎ澄まされているような気がする。
チラシを広げるときのチラシの紙質だったりとか、
刃をつめと指の間に入れ込む瞬間だったりとか、
つめを切る時に握る力加減だったりとか、
チラシから遠く跳んで行ったつめを
指のはらに食い込ませて集める感じだったりとか、
その時の畳を触る感触だったりとか。
いつも感じていること以上に感じられる気がする。
なんだか職人さんにでもなった気分だ。
職人さんには失礼かもしれないが。
まあ、だらしない日常で
ただただつめきりの時間が
とても大切な時間に感じられるのも
今日からはじまった
小学校の夏休みのせいかもしれないが。